(公益社団法人)砂防学会の認可を受けて

会長  岡本 正男

 (社団法人)砂防学会は、内閣府公益認定等委員会より通知を受け、平成25年3月19日内閣総理大臣より公益社団法人の認可を得て、4月1日に登記を済ませ、(公益社団法人)砂防学会になりました。今回の公益社団法人への移行に際して、大変な苦労をされた事務局職員や公益法人制度改革対応委員会の委員をはじめとする関係者の方々及びご支援いただいた学会会員の皆様に感謝申し上げます。

 公益社団法人化を契機に、より社会に貢献する学会活動を目指すために3点をあげたいと思います。

 まず公益性の追求があります。公益社団法人は公益事業を主たる目的とし、一般社団法人と比べ、より公益性を求められる社団法人であり、具体的に満たすべき主たる要件は、公益目的事業比率が全支出の50%以上であること、収支相償、遊休財産額が約1年分の公益目的事業費の額を超えないことなどです。そして「公益目的事業」とは、「不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するもの」と定義されています(公益法人認定法第2条4号)。(公益社団法人)砂防学会の定款第3条の(目的)に、「この法人は、砂防学の進歩、砂防事業の発展、並びに砂防技術者の資質の向上を図り、もって国土の保全、国民生活の安全、学術の進展と社会の発展に寄与することを目的とする」とあります。正に、学会の目的は公益活動そのもので、事業は全て公益目的事業です。会員が利益を受ける共益ではなく、不特定多数が利益を受ける公益を求めるための事業を展開していきます。

 次に、産官学に民との連携を図ることです。定款にあるように、(公益社団法人)砂防学会は、活動を通して国土の保全、国民生活の安全等に寄与していかなければならないのです。そして、不特定かつ多数の者の利益の増進に努めることも求められています。学会員の構成は、産・官・学 で占められています。公益社団法人としての一層の活動を展開するには、ここに「民」との連携が必要となります。土砂災害防止対策で重要なソフト対策の一つに警戒避難の問題があります。また、その他の分野でも地域の意見を考慮し、反映するのが多岐に亘っています。「民」とどういう形で連携を取るか?総会の前の特別講演及び研究発表会時の企画セッションにおいては一般住民に公開されています。地域と協同で研究調査をする仕組みを作る、そしてその成果を、地元でのシンポジウム等を通じて、地域住民に参加してもらう等々の活動が考えられます。そのためには、大学等の教育機関、都道府県や市町村、あるいは他の学会や砂防関係法人等と連携する必要があると思います。「民」との連携を図り、地元に根付く学会を目指します。

 そして、最後の3点目は、地方に貢献することです。土砂災害の多くが発生する地方との連携が求められています。「災害対策基本法」で住民の命を守る責務を負っている市町村長をはじめとして地方は、災害対応に迅速な技術的なアドバイスを求めています。これらの声に如何に応えていくのが(公益社団法人)砂防学会であると思います。地方・地方で、土砂災害をめぐる環境は違います。砂防の活動フィールドのメインは、地方です。緊急的に実施する災害調査は、一刻も早く行うことが求められます。学会の地方における活動を活性化することは、地方の大学、行政機関、コンサルタント等の砂防技術者にも活力を与え、地域住民との関わりを濃くし、「民」との連携も広がります。地方活動の活性化を通じて土砂災害に苦しむ地方に貢献する活動を行います。

 多様化する価値観や社会の中で、変わらないのは防災の大切さであり、砂防の果たす役割は大きいものがあります。(公益社団法人)砂防学会は、大学等の学問・研究機関、行政機関、民間コンサルタント等多くの組織に属されている方々の集まりです。垣根を越えた多種多様な多くの情報が集まるメリットを生かすため、より開かれた学会を目指して行きたいと考えています。



砂防学会トップ
公益社団法人 砂防学会
〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-4 砂防会館別館3F
Phone :(03)3222-0747 Fax :(03)3230-6759
Mail: jimu@jsece.or.jp